ロードバイクに乗ってみたいと思っている方へ:ビギナー向け入門本を作りました

pedalfar2009-10-23

ビギナー向けの入門本を作りました。タイトルは「ビジュアル版ロングライドの世界」。
7月、8月と夏をつぶして作った本がやっと出来上がって本当にうれしい。

なんともまあベタなタイトルだけどwとにかく初歩の初歩「なにが楽しいの」「どこで買うの」から解説している本当の初心者のための本なので、あえて捻らないタイトルにしました。ロードバイクの買い方から始まって、一緒に揃えておくもの、乗り方、走り方、簡単な整備の仕方、そして最終的にロングライドイベントに参加してみるまでを解説しています。正直なところ、ディープな話は載せていませんので、すでにロードバイクに乗っている人には物足りないかも。でも本当のビギナー、これから乗ってみようかという人には、かなりわかりやすい間口の広い入門本になったと思います。

この本での僕の役割は監修役(なんだかエラソーですねw)。全体の章の構成、ロングライドのコツや小技的な事柄、ロングライドイベントの楽しみ方など、そんなツボの部分の押さえ役です。あと内容に合わせた自転車コラムを5本ほど書いています。
制作過程ではいつもお世話になっているなるしまフレンドさんに多大なご協力をいただいたほか、mixi自転車で遠くへ行きたい」コミュのメンバーにもモデルとして登場してもらったり、取材・写真提供などで随分助けていただきました。感謝感謝です。

これからロードバイクに乗ってみたいと思っている方、よかったら書店で手に取ってみてください。


以下に前書き全文を掲載します。

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この本を手に取ってくれたあなたはなぜ自転車に、しかもロードバイクに興味を持ったのだろう。
街で颯爽と走り去るロードバイクを見かけたから?ロードバイクの素晴らしさを会社の同僚が熱っぽく語るから?ロードバイクは出っ張ったお腹を引っ込めるのにいいですよと勧められたから?ツール・ド・フランスでの日本人選手の活躍に感動したから?いろいろなメディアが「ロードバイクがブーム」と書き立てるから?
いや、きっかけはなんでもいいのだ。

2003年の秋、僕は「ロードバイクに乗ろう」と思い立った。きっかけは「ツール・ド・おきなわ 本島一周サイクリング」というロングライドイベントだった。夏休みに訪れた沖縄でレンタサイクルで海岸線を走った体験が契機となって(とても気持ちのいい体験だった)沖縄本島を二日間で一周するこのイベントにロードバイクで参加したいと思ったのだ。イベントの僅か一ヶ月前にロードバイクを購入し、僕は新しい世界に飛び込んだ。
名護をスタートして時計回りに一周。330km先のゴールは遠かった。延々と続くアップダウン、照りつける日射し、突然訪れるスコール。「沖縄の海岸線をひたすら走り続けることはきっと気持ちがいいに違いない」そんな呑気に考えて参加した自分の無謀さを呪った。「しんどい、もうやめたい」そんな言葉を何百回となく心の中で繰り返した後、僕はゴールに辿り着いた。そこで僕はかつてない達成感と共にロードバイクという乗り物がこんな距離を走れてしまうことに感動した。そしてロードバイクにまたがれば自分でもこんな距離を走れてしまうということに驚いた。
人生は何がきっかけとなって何が起こるかわからない。
スポーツとは縁遠い人生を送ってきた僕は中年と呼ばれる年齢になってロードバイクに出会い、自分でも思いも寄らなかった『数百キロ単位の距離を自転車で走る人』になった。

ロードバイクに乗ることは今まで「自転車=ママチャリ」だと思っていた人には冒険だと思う。ビギナー向けの「手ごろな価格のモデル」が沢山出てきたと言っても、その価格はママチャリが何台も買えてしまうような金額だ。柔らかいサドルしか知らない人にはロードバイクのサドルは板のように感じるだろう。「適切」と言われてセッティングしたサドルの高さでは跨ったまま地面に足が届かない。初めて自転車で走る車道はおっかなびっくり。ビンディングで足をペダルに固定してしまう?なにそれこわい。

僕はそんな「冒険をしてみよう」と思ったあなたを応援したい。
この本は「ロードバイクに乗ろう」と思い立ったときに僕自身が読みたかった本だ。ビギナーの頃、僕自身がわからなかったこと、試行錯誤したこと、なかなか気がつかなかったこと、役に立ったこと、そんな事柄をまとめてある。この本が冒険で一番最初に出会う疑問や不安を解消することに役立てばとても嬉しい。

ロードバイクで走ることはとても楽しい。そしてロードバイクに乗ることはきっとあなたを変える。今まで気がつかなかった自分にも出会える。見たことのない景色も沢山見ることができる。見知った景色もサドルの上から眺めれば新しい景色に見えるはずだ。
一度扉を開いてしまえば、ロードバイクにはいろいろな楽しみ方がある。ロングライド、ホビーレース、ポタリング、グルメサイクリング、輪行旅行etc。きっと「あなたならでは」の楽しみ方が見つかるだろう。そしてもれなく「スリムで健康なカラダになる」というオマケも付いてくる。
この「冒険の書」を携えて、新しい自分と見たことのない景色に出会うためにペダルをこぎ出してほしい。


2009年8月 米津一成


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