免許の更新講習を受けて考えた:新年のご挨拶にかえて

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。

年末に運転免許の更新に行ってきた。すっかり忘れていたのだけれど4年前に(多分引っ越しの時)駐禁を切られていた。たまにクルマに乗るとロクなことがないw で、最寄りの警察署ではなく都庁にある更新センターへ初めて行った。5年間携行した自分の免許証を改めて見てみる。あー!今日着ているセーター、5年前と同じだよ(^^);;

更新手続きを終えて更新講習へ。講習時間は1時間。始まるまで配られた冊子をぱらぱらと見てみる。「交通の教則」「安全運転のしおり」「人にやさしい安全運転」の三冊。どの冊子も目次に自転車の項目がない・・・

講習が始まると、免許証に本籍が記載されなくなったこと、中型自動車・中型免許の新設のことなどの説明の後に最新の道路交通法改正のお話。指示された「交通の教則」の頭の方のページを開いたらそこに「自転車利用者対策の推進」という項目があった!
ほー、自転車に関する話は「クルマから見た自転車」ではなく「車両としての自転車」という前提の話。まずは2009年の改正で「歩道通行可」となったことの説明(例のすったもんだした件ね)。「それでもあくまで車両である自転車は車道走行が基本」という説明にちょっと感心した。これは疋田さんははじめ、多くの人がこの改正の話が漏れ聞こえてきたときに「ちょっと待て!」と声を上げたことの成果だろう。素晴らしい。
そのあとは画像のリーフレットの内容に沿った説明。携帯電話を操作しながら自転車に乗っていた女子高生がご老人にぶつかってご老人は転倒・死亡。賠償金が数千万になった話など。で、賠償責任能力がない未成年の場合、それは親御さんの責任となりますよ、と。免許の更新講習なのでこの場に未成年はいないわけで話の流れとしては、だからお子さんがいるかたはご家庭で自転車の乗り方を教えてあげてくださいね、ということなんだろう。
自転車に関する改正についての話で都合10分くらいあっただろうか。最後の20分はビデオだったので係官が話したのは約35分くらい。そのなかで10分程度を自転車の話に割いていたのだから、僕は「結構詳しく話すじゃん」と感じたのだけど、うーん、どうなんだろう。
講習が終わってから係官の人に自転車に関係した改正のことが書かれている資料がないか尋ねたら講習で使ったリーフレットをくれた。今は配っていないけれど、改正直後は受講者に配っていたそうだ。ずっと配ってくれればいいのにね。
免許の更新講習でこうやって自転車のことにふれてくれるのはいい。なにしろ強制的に聞かされる講習なのだから。しかし免許を持っていない人や免許取得年齢に達しない子どもたちへ伝える術はあるのだろうか。子どもたちにはもちろん学校で教えてくれるのが一番いいと思うのだけど「自転車は車道走行が原則」ということを先生が話したら「車道を走って事故が起きたら責任を…」云々言う親御さんもいそうで悩ましい。でもせめて無灯火や携帯の使用や車道逆走のことは子どもたちに伝えてほしいと思う。

以前紹介したthink bikesのことで、なるしまフレンドの小畑さんと話す機会があった(小畑さんはなるしまフレンドのチーフメカニックであり、BR-1レーサーでもあるthink bikesの発起人の一人だ)。スポーツとして自転車に乗ることの楽しさを通じて、子どもたちにも安全な走り方を伝えたいという。素晴らしいことだと思う。スポーツとしての自転車、つまりレースにはルールがある。そのルールは公平に正々堂々と競うためのルールであり、それを出来る限り安全に行うためにルールに加えてレースのマナーもある。「そして普段道路を走る時にもルールとマナーがあるんだよ」と、そんなふうに伝えていけば子どもたちの心にも自然と届くんじゃないだろうか。

僕に出来ることはあるだろうか、と考える。僕は自転車が好きな人、自転車に乗ることを「楽しい」と感じてくれる人が増えてくれればいいと思っている。僕が本を書くこと、こうやってブログを書くことの大きなモチベーションはそこにある。人は自分が「楽しい」と思うことは大事にする。大事にするとは「そのことを考える」ということだ。僕自身がそうだった。単なるご近所の足だった自転車が今では人生の大切なピースのひとつになった。だから自転車のことを考える。まず自分がどう走りどう振る舞うべきかを考える。楽しく走りたい。だからこそどうしたらいいのかを考える。
読んでくれた人が自転車に乗りたくなる、自転車が好きになる。そんな願いを込めた本をまた書いている。自転車への恩返し。出来ることから僕もやっていこうと思うのだ。「何を呑気に楽観的なことを言ってるの」と言われるかもしれないが、そう、僕は楽観的だ。楽しげに自転車に乗る人、楽しいからこそ自転車のことを考える人が増えてくれればきっといい方向に進んでいくんじゃないか。そんなふうに思う。
5年前と同じセーターを着ているけれど、その上の顔はしっかり5年分オッサンになった免許証の写真を見ながらそんなことを考えた。

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*年末にCyclingEXさんが「第1回CyclingEX大賞・ブロガー賞/メディア賞」に選んでくださった。あまりほめられることがない日常なのでw嬉しい。CyclingEXさんを僕は応援しているけれど、それには理由がある。その理由は次回か次々回辺りで詳しく書こう。

*以前このエントリーでご紹介したBlue-Periodさん。12月の更新が少ないなと思っていたら、なんと四国で自転車お遍路さんをやっていました(^^);; またまた長編のエントリーになってますが相変わらずおもしろく、そして胸を打つエントリー。すでにお遍路さんシリーズ合計で500件以上ブクマされています。

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