現代的な鉄のロードバイクが気になる

海外の小メーカーやフレームビルダーのサイトを見ていると思わず「おーかっこえー」と声がでてしまいそうになるバイクやフレームに出会う。主にスチール(やチタン)のパイプを使ったフレームだ。ノスタルジックなテイストではなく、どれもコンテンポラリーなデザインでカッコいい。今、こういった現代的なスチールフレームは国内ではあまり見かけないように思う。

今一番気になるのはStijn cyclesというブランド。BD-1の最新モデルをデザインしたフランダース人(ベルギー北部の人ですね)デザイナーが立ち上げたブランドで、昨年12月に開催されたサイクルモードにブースも出していた。パイプはコロンバスのものを使っており、いわゆるクロモリだけでなくステンレスのパイプを使ったモデルもある。実際に作っているビルダー(いわゆる職人さん)はオランダ人の元プロレーサーらしい。
デザイン的なポイントはトップチューブに付けられたハートのアクセント。機能的に理由があるのかどうかわからないけれど、これがオシャレ(追記:写真を見ていたら思い当たった。多分トラックバイクのフレームカバーでここにハンドルが当たるからだろう。それをオシャレにしたものだ。光沢からするとここはステンレスっぽい。ロードでは不要だけれどデザイン的アクセントとしてはいいアイデアだと思う)。パイプも太すぎず細すぎずいい感じだ。個人的には細いパイプで組まれたフレームはトラディショナルな雰囲気で好きだけど、あまり細身でも繊細すぎる感じがする。このくらいの太さがいい感じだ。ピスト、ロード、MTBと一通り揃っている。特にこのロードモデルはコンパクトなジオメトリで走りそうな雰囲気。ストレートパイプで組まれたホリゾンタルフレームは美しい。写真を見る限り仕上げも素晴らしいしカラーリングもいい。
デザイナーでありフレーム設計者でもあるステイン・デファームという人は検索してみたらMTB DHのベルギーナショナルチャンピオンを3回も獲った人だった。元DHのベルギーチャンピオンでBD-1のデザイナーって、異色といえば異色、自転車の申し子といえば申し子という経歴だ。
日本の代理店はまだ未定。但し日本で売りたいと強く思っているとのこと。日本人のスタッフもいるそうで日本語での問い合わせにも答えてくれる。メールアドレスはこちら:Japan@stijncycles.com] flickrStijn cyclesのアルバムがある。



Baum Cyclesの創設者は元航空機関係のエンジニア(特に溶接に関する)の人。エンジニアからビルダーへ、というところはゲイリー・クラインやジム・フェルトに似ているけれど、フレーム素材はアルミではなくスチールとチタンだ。カーボンバックもある。特にこのRistrettoというモダンスチールフレームに心惹かれる。溶接の仕上げの美しさは感動的だ。しかもカラーリング、グラフィックデザインとも極めて現代的でカッコいい。こちらのヘッドオフィスはオーストラリアだ。こちらもflickr大量の写真(必見!)がある。

FIXIE INCは名前からするとピストフレームのビルダーっぽいけれどロードとシクロクロスのフレームも作っている。ロードもいい感じだけれど前後輪ともディスクブレーキを装備したシクロクロスモデルがカッコいい。



IF BIKESは最近人気のサイクルウェアブランド「Rapha」とサイクルモードコラボしていたメーカーだ。チタン、カーボン、ステンレススチール、クロモリとラインナップが揃っている。こちらはかなり個性的なデザインだが、仕上げはいい


各ブランド、実際の乗り味はどんな感じなのかわからないけれど、少なくともデザイン(ロゴも含めたグラフィック)はどのブランドもカッコいいと思う。ここで紹介したブランドは日本で言う「ビルダーさん」というイメージよりはもう少し規模が大きい「小メーカー」という印象。日本ではビルダーさんというと本当に「工房」という感じで、もうちょっと手広くやっている「小メーカー」というのがあまりないように思う。僕の印象ではテスタッチくらいか。
どのブランドもWEBサイトをしっかり作っているし見せ方もうまい。でもなかなか日本からオーダーするとなると敷居が高いよなぁ。こういった小メーカーをまとめて日本の窓口となってくれるようなインポーターはいないものかな。とりあえずStijn cyclesは日本での販売を考えているそうだから今から楽しみに待とう。


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