自転車小説を書きました。タイトルは「追い風ライダー」

三年ぶりに本を出します。初めて小説を書きました。自転車小説です。タイトルは「追い風ライダー」。
ロードバイクに乗り始めてから走った様々なコース、沢山見た景色、そこで出会った人たち、自転車を通じて知り合った多くの自転車乗りの方々、そんな記憶の断片が重なり合い、つながり、このストーリーになりました。
帯に書かれたコピーは「自転車は、人生も遠くまで連れて行く。彼と彼女と自転車の、勇気と再生のストーリー」。ちょっと気恥ずかしいコピーですが、著者的には、まさにそういうストーリーを書いたつもりです。
前の二冊は「事実だけを書く」と決めて書きましたが、この本は小説として僕の自転車乗りの夢(妄想?)も交えて書きました。いろいろ苦労しましたが、書いていて楽しかった(^^
内容は、緩やかにつながった5つのストーリーで構成されていて、それぞれのストーリーにモチーフとなるコースがあります。
奥多摩大回りコース(武蔵五日市から鶴峠、奥多摩湖を通って青梅まで)
駒沢公園サイクリングコース
・荒川サイクリングコース
・ランドヌールクラブ埼玉 チャレンジ霞ヶ浦200km
ツール・ド・おきなわ 市民210kmレース
登場人物はなんらかのカタチでそれぞれのコースを走り、何かを感じ、それを「追い風」として前に進んでいきます。
最初のストーリーは、僕自身のある体験を元に書き始めたストーリーです。そして、このストーリーを書いていたちょうど一年ほど前に、ある自転車友だちが亡くなりました。ほんの一日前にネット上で見かけた彼の書き込みは、そのままぷっつり途絶えました。このストーリーは彼に捧げたいと思います。
2つめのストーリーは、自転車と猫と女の子同士の友情という、私の「好きなもの」満載のストーリーです。書いていて一番楽しかったのがこれ。
3つめのストーリーは、人生の折り返し地点に立った二人の中年男性の、それぞれの人生の「折り返し方」をテーマにしています。ストーリーを考えながら何度も荒サイを走りました。
4つめのストーリーは、あるブロガーの方が書いてくれた「ロングライドに出かけよう」の書評が発端になっています。そこに書かれたエピソードからイメージが広がってストーリーが出来上がりました。コースのモデルはオダックス埼玉のアタック霞ヶ浦200km。オダックス埼玉のブルベを走ったことのある方ならば、くすっと笑えるところもあるはず。
そして最後のストーリーは、東京と沖縄をつなぐラブストーリーです。これは8年前に某巨大掲示板某スレッドに思いついたプロットのアイデアを書き込んだことが発端になりました。その時はアイデアが続かず頓挫したのですが、構想8年(?)を経て、やっと完結しました。そして僕が二十代のころ大好きだった作家さんのある作品へのオマージュも込めています。その作品を読んだことがある人ならば、きっと気がついてもらえるでしょう。
今回の装丁は数々のベストセラー作品を手がけている鈴木正道さん、そして表紙のイラストは安倍吉俊さんリューシカ・リューシカ!)にお願いしました。鈴木さん、安倍さん、ステキな本に仕上がりました。ありがとうございました。
また取材に協力してくれた皆さん、ステキな写真を提供してくださった方々にも感謝します。ありがとうございました。
自転車が好きな人、自転車に興味があるすべての人に楽しんでもらえるストーリーだと思います。そして過去に書いた二冊と同じく「読み終わった後にはサドルの上にいたくなる本」を目指して書きました(^^ 沢山の人に読んでもらえれば嬉しいです。そして読んだあと、皆さんに僕がこのストーリーに込めた「追い風」の意味が伝わったならば、著者冥利に尽きます。
発売は11月13日。Amazonではすでに予約可能です。
またfacebook「追い風ライダー」ページも作りました。ストーリーにまつわるこぼれ話などをこちらで書いていく予定です。

追い風ライダー

追い風ライダー