距離感が壊れている鈴木さん

「ロングライドに出かけよう」に登場する鈴木さん。
「5月3日に九州で開催されるツールド国東に申し込んだので出発します。オプションはツールド本州」という意味不明の日記をアップして(笑)4/27早朝に旅立っていった。「ちょっww九州まで自走?!」(彼の自宅は神奈川)と驚いていたら、更に驚愕の事実が!

彼の短いmixi日記を読んでいると西ではなく北に向かっているような??27日の夜にはなぜか福島に彼はいた。彼の壊れた距離感と極端な行動を知る者として、何が起こっているのか考えてみると・・・なんと彼は一旦北上して青森まで行き、その後日本海側を走って九州に行こうとしている!(あははー(^^);;)そう、マジで「ツールド本州」のつもりだったんですねー
しかし半袖ジャージにレーパン、指なしグローブなのに北に向かうにつれ気温は低くなり、やがて3度。これはこのまま北上を続けるのは無理とあきらめて仙台から日本海側に抜けることに。新庄で一泊し翌日日本海側に出て(多分、酒田)海岸線を走り、30日の早朝には柏崎、10時には糸魚川を通過するも、この時点で九州まであと1,000km。残り時間は56時間というかなり苦しい状況に(つーか、そりゃ無理だって!)

しかし、この無謀なチャレンジは思いもかけない結末を迎えます。
おそらく金沢近辺のホテルで仮眠後、未明に出発するつもりで併設の銭湯のコインランドリーでジャージ類を洗濯して、それを取りに行ったら・・・銭湯が閉まっていて中に入れない!朝、銭湯の従業員が出てくるまで中に入る術はなし。ここで6時間ないし7時間のロスは致命的です。
彼のmixi日記は「朝のオープンまで浴衣。チェックアウトできません 」と書かれて終わっています。

今頃彼はどこにいるのでしょうか。輪行で九州に辿り着いたのか、それともまだ無謀にも走り続けているのか・・・・
そもそも神奈川から青森経由で九州まで走ると2,400kmくらい。それを6日で走ろうとすれば1日400km・・・1日400kmを6日連続って、そりゃいくらなんでも無理だって!(^^);;
でも、こういう無茶をしてしまうのが彼のチャーミングなところ。無茶なこと、無謀なこと、普通の人の常識を超えた何かをする、そんな無茶オーラを彼は纏っています。それはなかなか常識の範囲を超えられない、普通の人の僕にとってはまぶしいものです。


今シーズン、梅丹本舗GDRからイタリアのアミーカチップス・クナウフに移籍した宮澤崇史選手。活躍を期待されながら、UCI選手登録のトラブルでまだレースを走れていません。それでも黙々と練習を続ける彼が、最新の日記にこんなことを書いていました。


想像の範囲内に収まる練習は、己の力の範囲内なり。


自転車選手、特に彼のようなスプリンターが勝つためには、多分「想像の範囲を超えた何か」が必要なんだろうな、と思う。普通の人が見る景色とは違う景色が見えているとか。スプリンターがカッコいいのは、ある種の無謀さを平然と受け入れること、常識を越えた何かを身に纏っているからなのだと思う。


・・・と、ここまで書いて鈴木さんのmixi日記を覗いたら


今、京都。本当の戦いはこれからです


あきらめてなかったのかー!!


2009.05.02 18:00追記 鈴木さんは「大人の判断」をした模様。安心したような、残念なような。