自転車通勤、迷っているなら今すぐはじめよう!

いやホントに、今すぐに。
本格的に寒くなってしまうと気持ちも鈍る。今ならまだ間に合う。
すでに自転車を持っている人は今度の週末に会社まで走って予行演習してみよう。これから自転車を買おうかという人は会社帰りに自転車屋を覗きにいこう。自転車通勤圏はこちらでチェック。

個人的には今時期、つまり秋から始めるのがホントにいいと思うのだ。これから冬に向けて天候も安定してくる。
自転車通勤を始めるには人ぞれぞれのハードルというか、クリアしなければならないちょっとした問題があったりする。まず自転車を買う費用の捻出、通勤経路のこと、駐輪場所の確保、会社が自転車通勤にいい顔をしない・・・人それぞれのハードルがあると思う。で、そういう各人のハードル以外に、すべてのツーキニスト(C 疋田さん)共通の悩みというか、工夫が必要なことがある。それは実は「汗の処理」なのだ。

これからロードバイククロスバイクを買ってジテツーしようと思っている人には実感がないかもしれないけれど、ある程度の負荷で走っている人(=スポーツとして乗っている人)は、とにかくほぼ一年中大量に汗をかく。東京辺りの気候だと真冬のごく短い期間、ジテツーくらいなら汗をかかない時期もあるけれど、それでも負荷をかければ真冬だって汗を結構かく。

「ああ、気持ちがいい季節だなー。自転車に乗りたいなー」「自転車通勤始めちゃおうかなー」なんて皆が思う季節はだいたい初夏の頃だけど(自転車本もそのころ沢山発行されるでしょ?)実はその頃の気温ではすでに汗だくの季節の入り口で、一ヶ月もすれば「会社に着いたら汗だくだよ。どうしたものか・・」と悩んでしまう時期なのだ。
でも今時分から自転車通勤を始めるのであれば、あまりアップダウンのないルートで10km程度くらいまでなら、のんびりすいすい走ればあまり汗もかかない。そう、とりあえず「汗対策」の悩みは先送りに出来る。先送りにしたって意味ないと思う無かれ。この先数ヶ月、自転車通勤を続けていけば、どのくらいの負荷で汗をかく、このルートなら平坦だから汗もかかない。ウェアをこうやって組み合わせれば快適だ・・・などなど、いろいろなことがわかってくる。そうすれば汗だくになる季節をむかえてもただ途方に暮れるようなことはない。自分なりの対処方法を工夫できるようになっているはずだ。
しかも来年の初夏の頃に「自転車通勤始めようかな」という人が続出したら(昨今の自転車ブームを考えると来年は一気に増えそうだ)あなたはそのころにはいっぱしのジテツーの達人になっている!(ま、別にあまり意味はないですけどw)。

で、まずポイントはウェアの選択だ。東京近郊でロードバイククロスバイクで片道10km以上の自転車通勤をするという前提で考えてみよう。僕は随分前にスーツ+ネクタイという格好をしなくなってしまったので、その点ではジテツーのハードルは低かった。ホント、勤務時間中はスーツという人はどうするのが一番いいんだろう。やっぱり会社にスーツを置いておいて、カジュアルウェアでジテツーして会社で着替えるのがいいのかなぁ。残念ながらその苦労が僕にはわからない(すまん、役に立たなくて)。
会社で着替えてしまうのならばジテツーは何を着てもいい(それこそジャージ+レーパンというかタイツでもいい)のだけれど、カジュアルウェアで走るのならば僕はこんなパンツをオススメする。リンク先はモンベルコンバーチブル ライト3/4パンツという製品だけど、僕が使っているのはコロンビアの同様のパンツだ(コロンビアのWEBサイトを見たらこのカタチのパンツが今はなかった)。膝下をファスナーで取り外すことができるので、走っている時は外しておいて、会社に着いたら裾を付ければいい。僕はほぼ一年中この手のパンツを履いている。客先に行くときも先方に着いたら裾を付ける。大抵のお客さんには「自転車で来る人」と認知されているけれど、さすがに脛を出しているのと出していないのでは印象がかなり違うw。今時分くらいまでは脛を出しているし、もう少し寒くなってくれば下にレッグウォーマーを付ける(履く?)。ずっとこのパンツなので普通の長さのパンツで裾を裾バンド止めたり、右足だけ裾をめくったりというのでは、なんだか走っていて鬱陶しいのだ。アウトドアブランドのこの手のパンツは素材も速乾性のものが多く、汗もすぐに乾くし、ちょっと雨で濡れたときなども助かる。

自転車通勤時の上半身用に冬用のサイクリングウェアを買おうという人は自分の耐寒温度をよく考えて選んで欲しい。簡単に言えば、それを着て「じっとしてても暖かい」というウェアを買ってしまうと、走り出したら暑くてしようがない。往々にして冬に走るのは寒いだろうと思ってかなりしっかりしたウェアを買いがちなのだけど、そういうウェアは本当に真冬の厳寒期しか着られない。ちょっと薄いかなー、ちょっと寒いかなーと思うくらいのを買っておけば間違いない。前身頃が風を通さない素材であればそれくらいのウェアでも走っている限り寒さに凍えることはない。
その代わり、いいアンダーウェアを買おう。バカ売れらしいユニクロヒートテックでもいいけれど、ちょっと奮発してサイクリングウェアのインナーを買うと目からウロコかも。たとえばクラフトのこんなインナー。前身頃がゴアテックス素材で風を通さない。これ一枚で感動的に暖かい。気温によって前身頃がゴアテックスになっているもの、なっていないものを使い分けると快適だ。汗もあっという間に吸収して、しかもすぐに乾く。パタゴニアキャプリーンのベースレイヤーも様々な気温に合わせたバリエーションがある。上の写真のオレンジ色のヤツはパタゴニアのキャプリーン、白は「自転車で遠くへ行きたい」コミュのジャージを作っているメーカー、DECCAの厳寒期用アンダーだ。前身頃がゴアテックス素材になっている。
アンダーウエアを買うときのポイントは普段よりワンサイズ小さめを選ぶこと。この手のインナーは伸縮性がいいのでワンサイズ小さめでも着られるし、なにより完全にカラダにフィットさせて着ると格段に暖かい。
僕はTシャツ+薄手のフリース+ウインドブレーカーという三枚で、気温に合わせてTシャツを冬用のアンダーに、もっと寒くなったら厳寒用(前がゴアのもの)と切り替えていく。どちらにしても着ているのは三枚だ。
僕は寒がりではあるけれど、でも多分普通の人から見れば寒さに強く見えるのだろう。実際、ずっと自転車に乗っていると寒さには強くなる。なにしろ風邪を全くひかなくなる。自転車に乗り出してから風邪で寝込んだ記憶がない。

暑い時期のウェアは夏用のインナーにサイクリングジャージだったり、Tシャツ一枚だったりそれ以上脱ぎようがないけれど、寒さは工夫をすれば快適に乗り切ることができる。そうやって工夫をしていけば今度は汗だくになる季節の自分なりの乗り切り方もなんとなくわかってくるだろう。

自転車は乗り続けた人には必ずいいことが起こる。冬の間、じっくりしっかり走り続けた人は、春にはちょとやそっとの距離ではヘタらない脚になっているはずだ。走り続けるということにおいて、自転車通勤は一番続けやすい効果的な方法だ。

あ、それから今時分から自転車通勤を始めた人には、寒い冬を乗り切ったあとの春の訪れとともにちょっとしたご褒美がもらえる。それは「今日から春だ」という瞬間を味わえる、という「ご褒美」だ。ずっと自転車の乗っているとその瞬間に気がつくのだ。朝、家を出て走り出すとはっきりと「春になったその日」に気がつく。これはちょっと感動できますよ。


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