いわき市にある「いわき明星大学」を舞台にしたキャンパスストーリーを書きました。

福島県いわき市にあるいわき明星大学。ご縁があって、来年度から新設される「いわき明星大学 教養学部」の特設WEBサイト・スペシャルコンテンツとして、こちらの大学のキャンパスを舞台にした小説を書かせていただきました。タイトルは「きんいろのカタツムリ」といいます。
大学に入学して一年経ったものの、いまだに自分の将来の道が見つからない呑気なモラトリアム少女、小田切紗江(おだぎりさえ)。そんなヒロインと6人のいわき明星大生たちがそれぞれの将来に向かって思い悩み、行動する。そんなキャンパスストーリーです。このストーリーは数回に分けて、WEBノベルとして特設サイトに掲載される予定です。
「確かな基礎力をもち、これからの社会・地域を支える中核的人材の養成を目標とする」という教養学部のカリキュラムには、おそらく他の大学にはない科目があります。それは「復興支援」。自分たちの街の復興を担う人材を自分たちで育てる。言ってみれば人材の「地産地消」を目指したカリキュラムが組まれています。
自分たちの街のことを一番よく知っている人、そして自分たちの街が大好きな人。そういう人たちにこの街の未来を託そう。私はこの新設学部はそれを目指したものだと理解しました。
実際、大学関係者の皆さん、そして在校生の皆さんへの取材でも、どなたもいわきという街が好きで、その未来に前向きであることに心を打たれました。「きんいろのカタツムリ」は、そんな皆さんの姿を多くの人に伝えられればと思いながら書いたものです。
綺麗事ばかりを言うつもりはありません。大学の近くには避難地域から移ってきた方々の仮設住宅がありますし、キャンパス内には避難地域にある高校のサテライト校が設けられています。いわき市は震災の影響は比較的少なかったとはいえ、まだ復興は道半ば。様々な風評被害や誤解もあります。
それでも「ここが好きだから地元で頑張る」という人たちを私は応援したいと思います。
また、このストーリーの世界観、キャラクター設定をもとにアニメーションのテレビCMが制作されました。CMの企画は東北在住、東北出身のクリエイターの方々の手によるものです。そしてアニメーションの制作はプロダクション I.Gさん。プロダクション I.Gさんは「攻殻機動隊SACシリーズ」「図書館戦争」「黒子のバスケ」などでアニメファンにはお馴染みです。
自分が作ったキャラクターたちがアニメーションになって動き出すというのは私の夢のひとつでしたが、思いがけないカタチでそれが実現しました。しかも私の大好きな作品を沢山手がけているプロダクション I.Gさんによる制作というのは感激です。
自分にとって、とてもやりがいのある仕事でした。チャンスをくださった関係者の皆様、ありがとうございました。快くインタビューに応えてくれた学生の皆さんにも感謝します。

小説、CM映像とも「いわき明星大学 教養学部特設サイト」にてご覧いただけます。


あ、そうそう。大事なことを書き忘れるところでした。
私が書いたストーリーですから、もちろんヒロインは自転車に乗って登場します!