この夏、会いたい人に会いに行こう。

以前、よく仕事をお願いしていたカメラマンさんが一年前に亡くなっていたことを知った。80-90年代にアイドルをよく撮っていた方で、私が知り合ったころはすでに大御所に近い存在だったけど、いつも気さくで、予算のない私の仕事もよく引き受けてくれた。とにかく女性を上品に撮らせたら天下一品で、「女性モデルの撮影はこの人に任せておけば大丈夫」という安心感と安定感の方だった。
当時、デジタルへの移行の過渡期で、ある仕事をお願いしたときに「某社から借りているフラッグシップ機が今手許にある」という話を聞いて「じゃあデジタルで撮りましょう」と提案して撮ってもらった。彼にとってもフルデジタルの初仕事。こちらからPowerBookをスタジオに持って行って、カメラから直接吸い上げてその場で確認しながら撮っていくという、今では当たり前になった撮影方法。「へえ、なるほど!」と彼が感心してくれたのが嬉しかった。それ以降「ヨネヅくん、これどう設定すればいいの?」なんて電話がかかってきて、彼のスタジオまでMac回りの設定をしに出かけたことも度々あった。

「また仕事しましょう!」なんて最後に話したのは何年前だったか。あっという間に月日は経ち、その人はもう会えない人になってしまう。「またきっと会える」そう思っていた人たちが。自分も歳を取ったのだ。

皆、いつかまた会いたいと思っている人がいるなら、会いに行くといいよ。この夏にでも。