九州・阿蘇にある「自転車乗りにやさしい宿」

前回のエントリを書いたあと、「ウチ、こんなことをやってます」と、九州・内牧温泉にある旅館の方からメールをいただいた。なんだかほどよく「自転車乗りにやさしい」感じなのでご紹介します。宿の名前は「蘇山郷」さん。建物はクラシックな日本建築ながら、デザイナールームなどもあってオシャレな感じ。WEBサイトも丁寧に作ってあって好印象。そして自転車乗りの目を引くのは「蘇山郷サイクルステーション」というバナー。バナーに書かれた「コルナゴ部長」というのが、メールをくれた宿のスタッフの中尾さんだ。
サイクルステーションというと、宿の中にそういった施設がありそうな印象だけど、でも実はもうちょっと「ゆるい感じ(^^);;」で、ご自身がロード乗りである乗る中尾さんが、自分のメンテナンス道具などを「困ったときはお貸しします」というサービスだ。サイトに書かれた内容を引用させていただくと、

当館は阿蘇をサイクリングする際のコース案内やロードバイクのメンテナンス道具を準備し、宿の利用の有無に関わらずサイクル基地的なサービスを提供しています。
こちらでは田舎ゆえに専門店もなく、アクシデントやうっかり忘れ物などで走行をあきらめねばならない状況を回避するためにもお役に立てればと考えています。

素晴らしいのは宿に泊まったお客さんだけではなく、周辺に走りに来た自転車乗り全てを対象としていること。なにしろこちらの宿は「絶景ドライブコース・九州編」といった雑誌やテレビの特集があれば必ず紹介される「ラピュタの道」の登り口まで僅か3km強、絶景の峠まで9km弱という絶好のロケーションにある。週末にはラピュタを走りに来る自転車乗りは多いという。もちろん県外からやってきて、蘇山郷さんに泊まってラピュタを走る人も沢山いるそうだ。この「天空の峠・ラピュタ」、写真で見てもすごい景色だけれど、実際に走る(見る)と少し人生観が変わってしまうような景色のようで、中尾さんの話では「泣いてしまう人もいる」という。ちょっとわかるような気がする。県外から来て、阿蘇周辺を走り、あまりに感激して移住を真剣に考える人もいるそうだ。

中尾さんの「サイクルステーション」は、そんな自転車乗りにとって心強いサポートだと思う。そしてその「心強さ」も、このくらいが「程よく」ていいと思うのだ。自転車乗り、特にロングライドをする自転車乗りは、ある程度のレベルまではアクシデントに対して自己解決できなければいけないと思う。しかしどうしても工具が必要なアクシデントだったり、持参したスペアが底をついてしまったりということはある。そういった時に助けとなるサービス基地があるというのが、ショップレベルのサービスでなくとも「程よく」「心強い」と思うのだ。

阿蘇の草原や峠を一人旅やカップル、友人やチームで愉しみ走り終えた達成感はその後の生き方に必ずプラスになると多くの方の体験が物語っています。阿蘇でしかできないサイクリングをお奨めすると共に、自転車仲間として皆様の挑戦を応援したいと考えています。

まさに、この中尾さんの言葉通りのサービスではないだろうか。
あ、そうそう。肝心の夜間の自転車の保管についても、自転車用の倉庫があり、そちらに保管していただけるそうだ。やはり宿のスタッフに一人でも「わかっている人」がいると話が早いというか、かゆいところに手が届くというか。

「天空の峠・ラピュタ」。まだ、しまなみ海道も走りに行ってないというのに、また「走りに行きたい場所リスト」が増えてしまった(^^


中尾さんのブログ「コルナゴ部長の阿蘇天空の旅(写真がどれも素敵です)

中尾さんのブログから写真を拝借しました。