別府と新城、それぞれのコーナーの向こう側

pedalfar2009-07-08

画像は第3ステージの時のもの。「ユキヤ、今日はオレが行くぜ」なんて言っているとかいないとかw チーム戦略、レース展開を考えるのも楽しいけれど、全く関係のない妄想もレース観戦の楽しみのひとつだ(ホントか??)
レース中にチームのエース同士が笑いながらおしゃべりしているシーンを目撃するなんて、まあ他のスポーツではそうそうない。この日はランスとボーネンが長い間しゃべっているのが映されていた。プロトンのボスに復帰したランスがボーネンに「コカイン、ダメゼッタイ」と注意していたとかwちょっと妄想してしまう。以下も僕個人の妄想というか想像だ。

第三ステージの最後のスプリント。チーム的にそれほど重要な局面だったかどうか微妙だけど、別府は最後まで追い込んで一桁のリザルト(8位)を得た。もしかしたら新城の成績を意識していたのかなとも思うけど、ロードレースでの選手の「仕事ぶり」ってなかなか見えにくいから、早々と一般の人にわかりやすいカタチで彼の頑張りが見えたのはよかったと思う。

ディスカバリーに移籍した頃、彼は本当に楽しそうだった。2005年頃はブログを読んでも「こいつ、ノー天気すぎ」という感じのエントリーばかり。チームメイトの超ベテラン選手、エキモフに「ヘイ!エキって声をかけたよ」とか。(wikipedia:ヴィアチェスラフ・エキモフ)それがだんだんと内省的なエントリーが多くなり、もしかしたらここ1年くらいに彼のブログを読むようになった人は「なんだかグチっぽいヤツ」と思っているかも。いやホント、天真爛漫なオトコのコっていう感じだったんですよ。
ディスカバリーに入った当時は「いずれはツールに出られる」と思ったと思う。でもその機会は訪れないままチームは解散。コンチネンタルプロのスキルシマノへ移籍。おそらくディスカバリーで徹底的にチーム戦略を叩き込まれたであろう彼にとっては、新しいチームに違和感もあったんじゃなかろうか。なかなか好成績を収められない自分自身への歯がゆさもあっただろう。そうこうしているうちに梅丹GDRの新城や清水がUCI1クラスのレースで優勝したり、新城がブイグに移籍したと思ったら、いきなりツールのメンバーに選ばれてしまい・・・ちょっと複雑な気持ちもあったんではないだろうか。最終的に彼もツールのメンバーに選ばれたのでそれはよかったけれど、今度は「シマノのスポンサー枠で選ばれた」とか言う人が現れる。土井選手が選ばれたら僕もそう思ったかもしれないけれど、別府に関してそれはないよ(多分)。

一方、新城はせっせとボトル運びをしている姿も見えるけど、集団後方でひらひら走る姿が何度か映った(今日の第5ステージでも)。彼は監督の指示を守り自分の仕事はきっちりやるけれど、あとはチャンスが訪れるまでは自分のペースでやるというか、うまくやっているように見える。別府はレース展開に気を使い、チームのために自分が出来ることを常に探しているように見える。これは先にも書いたようにディスカバリー時代にたたき込まれたんだろう

新城は本格的にロードレースを始めてわずか5年。福島兄に見出されて高校卒業後にフランスに渡りアマチュアレースを走り、その後浅田監督のチームに加わり3シーズン走ってブイグに移籍してツールに辿り着いた。とんとん拍子と言っていい。もともと可愛がられキャラというか弟キャラというか、浅田監督や福島兄貴に「いけ!」と言われれば「ラジャー!」と元気に返事してかっ飛んでいくような、そんな雰囲気。多分、ブイグでも同じような感じなんじゃないだろうか。良くも悪くも石垣島産の天然ものというか(笑)

別府にとっても新城にとっても、日本人が二人同時に出場することになってよかったと思う。僕らも二倍楽しめるし、注目度もプレッシャー(みたいなもの)もうまく分散するだろう。もともとブイグもスキルシマノも総合上位に選手を送り込める布陣でもなかったし、チームTTがあの結果だ。あとは区間優勝のチャンスだけを狙って走り続ければいい。
・・・・なんて途中まで書いていたら、早速ボクレールが逃げ切り初ステージ優勝(栗村さんも勘違いしていたけれど、僕も2004年に一度ステージを獲っていると思っていた)。集団後方にいたはずの新城もちゃっかり上がってきて18位でポイントゲット。うん、いいよいいよー。

レースは何が起こるかわからないから二人とも完走できるかどうかは「神のみぞ知る」だけど、彼らが逃げに乗って大写しになるシーンや、ゴールスプリントでどきどきさせてくれるシーンがまたきっとあるはず。二人が揃って逃げに乗るという夢のようなシーンの目撃者になりたいものだ。そしてもちろん日本人初のステージ優勝のシーンも目撃したい。
高望み? いやいやそんなことないよね。

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