「自転車人」という雑誌(は、とても真面目)

日曜は山と渓谷社の「自転車人」の取材だった。次号(4月売)は「ヒトと自転車」というテーマの号だそうで、光栄なことに何人だか何十人だかの中の一人として取材していただいた。自分の好きな自転車雑誌の取材でとても嬉しい。一応「ロングライドの人」として「自転車への拘りについて聞かせてください」との趣旨での取材だったのだけど、最近はロクに走ってないし、自転車自体も特にロングライド仕様として手を加えているわけでもなく、そもそも最近の走りのダメっぷりで迂闊に「ブルベ代表」みたいな扱いをされるとランドヌールたちから石を投げられそうなので(笑)ランドヌール5000取得者で「My旋盤を持つオトコ」マツムラさんにお付き合いいただき、彼と一緒に取材を受けた。おかげでなんとか取材らしい取材になったようで助かりました。ありがとうございました>マツムラさん

ヤマケイには思い出がある。スキーの仕事をしていた頃に、元「クラブ・ハーレー」編集長で今はエイ出版の編集局長になっている(らしい)ジャックこと高橋大一さんと、何年か続けてヤマケイの「Skier」絡みで一緒に仕事をした(某社のカタログを作ったり、あちこちのゲレンデ取材に行ったり)。彼は当時「Skier」編集部に出入りしていて、飄々とした雰囲気なのに仕事ぶりは極めて真面目で、おかげで随分助けてもらった記憶がある。もう何年もお会いしていないけど、ブログを読む限り、相変わらず飄々と、そして相変わらず編集部に泊まり込みしつつ(笑)真面目に仕事している様子だ。当時、彼の「手下(と呼んでいたw)」で、同じく「Skier」のライターをやっていた山石やすこさんにもあちこちのゲレンデ取材につきあってもらった。彼女も真面目なライターさんで、その後、上村愛子選手の本を何冊か書いている(今回、お会いした「自転車人」編集部の久田さんも真面目な好印象の方だった)。

彼らの印象が強いせいもあるけれど、ヤマケイは「真面目な本づくり」の出版社という印象がある。なんと言っても「山と渓谷社」という社名からして真面目だ。そして「自転車人」も数多ある自転車雑誌のなかで、その真面目な作りで僕は一番好きだ。特に2008年の夏号は印象深い。
この号は「夏旅とロングライド」という特集で素晴らしいコースがいくつも紹介されている。他の自転車雑誌のロングライド特集といえばロングライドイベントが中心で、距離もせいぜい200km程度のものが多い中、「自転車人」のこの特集は300km、400kmという本当のロングライドのコースが紹介されている。東京→糸魚川ファストランやブルベ(PBPも)も取り上げられているし、「信州ツーリングコース10」という特集も素晴らしい。ビギナー向けの「ツーリング入門」特集も機材や実際のノウハウなど本当に役に立つ情報が載っている。「今度このコースを走りたいな」と、この号は今でも時々読み返す(あまりに素晴らしい号なのでアマゾンで書評まで書いてしまった)。ここまでちゃんと走って、ちゃんと取材して作っている自転車雑誌って他にはないと思う。
2007年冬(6号)の「Made in Japan 日本のフレームビルダーを訪ねて」という特集も素晴らしく、国内のほとんどのフレームビルダーさんが取材されていて、フレーム作りの拘りっぷりやそれぞれのビルダーさんのヒストリーなど読み物として、とても興味深くおもしろい。「いつかこのビルダーさんでオーダーしてみたい」と、こちらも今でも時々読み返す。
新しい機材の話やトレーニングの記事など、読めばどの自転車雑誌もそれなりにおもしろいのだけど、自転車の奥深さやその本当の楽しみ方に関して、真面目にしっかりと取材をして丁寧に作られている雑誌といえば「自転車人」がナンバーワンだと思う。さて、次号はどんな号に仕上がるのだろうか。自分の取材のことはさておき、どんな「自転車人」たちが拘りを語ってくれるのか楽しみだな。

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