好きになったら言いふらそう

pedalfar2009-04-06

週末は桜がきれいだった。僕の予想より一週間早い満開。多分、日本中で推定10万人ぐらいがブログに桜の画像をアップしたんじゃなかろうか(笑)

またKSさんとリハビリ兼ねてちょい乗り。「軽く走った」という距離にもならない僅か40kmほど。30km巡航で信号ストップのたびに、二人して「ハァハァゼイゼイ」言っているのだから情けない。来月は東京〜糸魚川ファストラン。走れるのか?>自分

(リハビリって書いてますけど、ケガや病気をしていた訳じゃないんです。年が明けてから忙しくて全く乗ってなかったので「リハビリ」してるっていう意味ですから)

KSさんは僕の一冊目の本のなかで「一緒にツール・ド・おきなわに参加して、その後、その時一緒に走ったパートナーと結婚し、新婚旅行はツール・ド・フランス観戦&エタップ参加という”一気にロードにハマった人”」として紹介している友人だ。
途中、小金井公園で桜を眺めたあとにファミレスで密談。お互いにとって「趣味だか仕事だかわからなくなってきた案件」について。この二人にとって「「趣味だか仕事だかわからなくなってきた」と言えば自転車のことだ。

彼は昨年某技術系出版社から某情報系出版社に転職した。その面接の時、当然「趣味は自転車」という話をしたという。職場での挨拶(自己紹介)の時にもきっと話をしただろう。そんな彼のいる会社で自転車絡みの企画が持ち上がった。「あ、KSくん、自転車詳しかったよね」当然の流れで彼に声がかかった。密談はその企画の話だ。

「言いふらしておくもんだねー」なんていう話になった。
自分の好きなこと、好きなものは周りに言いふらしておくといいと思うのだ。自転車なら「隠れて人知れずこっそりやる趣味」でもないし(笑)どんどん言いふらしておいても損はあるまい。「アイツは自転車が好きらしい」と周りの人が知っていれば、そういう話を振ってくれる。「詳しいヤツがいたなぁ」と誰かが思い出してくれれば、こうやって仕事として自転車のことに関わるチャンスも生まれる。僕が自転車の本を書くようになった経緯も似たようなものだ。
その企画、彼が思い描いたようなカタチで成立すればきっとおもしろいものになるだろう。沢山の自転車乗りに楽しんでもらえるようなものになればいいな。

「言いふらしておくもんだね」という話で思い出した。随分前の記事だけど、「ほぼ日刊イトイ新聞」のこの記事。フルーツシールのコレクターである吉本宏さんという方の話。
フルーツシールとは外国産のフルーツに貼ってあるシールのこと。よく目にするやつだと「ドールのバナナ」とか「サンキストのオレンジ」とか「ゼスプリのキウイフルーツ」とか。フルーツシールが貼ってあるとなんだかちょっと高級そうに見えるよね。検索してみると、フルーツシールのコレクターの人って結構いるようでびっくり。確かにこうやってずらっと並べて見せられるとどれもかわいいデザインで、集め出したらハマりそうだ。そんなフルーツシールを集めるコツは「人に言うことです」と吉本さんは言っている。

>それは人に言うことです、
>「僕フルーツシール集めてます」って。
>すると会社の人が海外出張なんかいくと
>がんばって探してきてくれるんですよ。

なるほどー。確かにフルーツシールくらいなら「あ、アイツがこんなの集めていたな」と覚えていてくれれば、ぴろっと剥がして持って帰ってきてくれたりするだろうし、或いは「アイツのおみやげはこれでいいや」と安上がりに済まされたりっていうのもあるかも(笑)

自分で頑張って自分の可能性を広げることは素晴らしいことだけど、人とのつながりで拡がる可能性も沢山ある(というか、そっちのほうが大きい?)自分のことばかり喋るやつは鬱陶しいけど(笑)自分のことを知ってもらうためには話さなければ伝わらない。それに「好きなこと」を喋っている人は大抵楽しそうだし、ほどほどに抑えれば相手に悪い印象を与えることもないんじゃなかろうか。

インタビューの中で、吉本さんがフルーツシール集めにハマるきっかけになった「決定的な出会い」というコレクター仲間の話をしている。そのコレクター仲間というのがグラフィックデザイナーの相馬章宏さん。そう、僕の本の装丁をやってくれた相馬さんだ。相馬さんと僕は自転車を通じて知り合った関係だけど、彼はフルーツシールだけに留まらないいろいろなもののコレクターで、そのコレクターぶりに僕は何度か驚かされている。
そんな相馬さんの話は次のエントリーで。