ポメラという単機能の幸せ


ポメラが売れているそうだ。
この筐体でフルサイズのキーボードを備えていること、ATOKを搭載してること、単四アルカリ2本で20時間動くこと、起動時間がわずか2秒ということetc、よく煮詰められていると思う。技術的なハイライトは殆どないけれど、まさに「枯れた技術の水平思考」。そこに「デジタルメモ」という新しいコンセプトを与えたガジェットだと言える。
ま、若い人にとっては「デジタルメモ」というコンセプトは耳新しいのかもしれないけれど、オジサンにとっては「要は小さなワープロでしょ」という感じ(笑)でもモノとしてそそられる部分はある。(今20代〜30代の人にとって「ワープロ」といえば「ワープロソフト」のことで、それはすなわち「Word」なんじゃないだろうか。かつて「ワープロ専用機」という単機能の製品があったことを今の若い人はひょっとして知らないかも)

単機能な製品は本当にその機能が欲しい人が買う。そしてその機能が優れていたならば(その機能に満足したならば)、人は単なる製品ユーザーから、その製品のファンになるのだと思う。その辺りのツボを突いたポメラのCMが間もなくオンエアされるそうだ。ナレーションはこんな感じ。


「メールにインターネット、ゲームに音楽、ビデオ編集。これすべて、できません。私にできるのは1つだけ。文字を打つこと、それだけ


結構、秀逸なコピーだと思う。そそられる。
「このハサミはよく切れますよ。しかもラジオも聞けますし、懐中電灯にもなります」「そんな意味不明の多機能製品はいらない。俺が欲しいのは、とにかくよく切れるハサミなんだよっ!」そんな感じだ(笑)
こういう製品に出会うといつもかならず「自転車っぽい」と思う。自転車、特にロードレーサーは「シンプルで軽快」なものの代表なのかも。

定価27,300円に対して今の実勢価格は17,000円くらい。
日中のほとんどの時間をPCの前で過ごす僕の生活スタイルだとポメラを使うシーンはかなり限られるので買うところまでいっていないけれど、逆にPCの前を離れたちょとした時間に文章を打ちたい時がある。そんな時のデバイスとして使うならネットブックよりポメラの方がいい。
あ、そうか、そういう僕みたいな人が買っているのか。


僕が暫く前から使い始めて、二冊目の本を書く際に非常に活躍したアプリケーションがある。シンプルで軽快。久々に「自転車っぽい」と気に入ったアプリケーションだ。
次のエントリーではそのアプリケーションとそれを使った僕の本の書き方を紹介しよう。


(追記)
ロングライドに出かけよう」に連動して開設したPedalFar!サイトのGoogleMapsを使った仕掛けも「ある地点から半径何kmの範囲」というのを簡単に知ることができるサービスがないなと思って作ったものだ。ネット上のサービスに限らず、意外とこういうシンプルなものがないなぁと思う。