自転車通勤を楽しく続けるコツは?

知りあいから「自転車通勤を長く続けるコツは?」と聞かれたのでちょっと考えてみた。
はて?いい方法があるだろうか。僕自身は「気の進まないことを習慣化することによってなんとか続けている」わけではないし、乗りたいから乗っているだけだ。気乗りしない時は(時には結構長期間)乗らないこともある。そもそも僕は混んだ電車に乗るのが嫌いで、満員電車に乗ることを考えたら、多少暑かろうが寒かろうが、自転車通勤のほうが遙かに気が楽だ。

僕の回りで自転車通勤を続けている人も、通勤として乗っていると言うよりも、少しでも乗る時間を作りたい、自転車通勤もトレーニングの一部という、もともとから自転車乗りという人たちだ。多分彼らに同じ質問をしても「乗りたいから乗っているだけだからなぁ」という答えが返ってきそう。

「うーん」と考えていたらヒントが思い浮かんだ!それは「コースを固定しない」ということ。そう、僕は通勤ルートを固定していない。固定しないと言っても、さすがに行きは自分なりに最適と考えるいつものコースを走る。でも帰りは毎回違うコースを走って帰る。基本は3、4パターンだけど、それぞれにバリエーションが同程度ある。つまり全部で10通りくらいの「帰り道」がある。

帰り支度をしながら僕は「今日はどのコースで帰ろうか」と考える。これを考えるのが結構好きだ(極端に疲れているときは面倒だけど)。普通は勤め先を出て、電車に揺られ、家についてやっと「仕事時間」が終わるという感覚だけど、自転車通勤をすると会社を出て自転車に乗った瞬間に「仕事時間」が終わる。そんなことを昔、疋田さんが本に書いていた。うん、まさにそんな感じ。会社を出てサドルの上の人になった途端に仕事のことは忘れている。

基本のコースを決めたあとは時々そのコースを外れて違う道を走ってみる。これは僕のクセなのか根本的な性格なのか、気がつくと知らない角を曲がって知らない路地に入り込んでいる。カミさんと街中を走っていると「一体どこを走っているの?わかって走ってる?」とよく聞かれるのだけど、実はわかってないw いや勿論「どの辺りをどっちの方角へ」というのはわかっている。そもそも「いつも同じ道を走ってもつまらない」と思っているのだ。多少迷ったって街中の道だ。大通りに出ればおおよその位置はわかる。遠回りしたって数キロのことだ。それより知らない道を走る方がおもしろいじゃない。毎日同じ道を走って帰るなんて、毎日同じ電車に乗って帰るのと同じだ。知らない道を走って帰ったあとでGoogleMapsで確認してみる。「ああ、あそこで曲がればこっちに出られていたのか」「ここをつなぐと新しい定番コースに出来そう」などなど、あれこれ気がつくこともある。「じゃあ明日はここを曲がってみよう」と思って、明日の自転車通勤も楽しみになる。

いろいろな路地を通ってみると、街中には猫横丁とでもいうような野良猫が沢山いる路地があちこちにあることに気がつく。僕の帰りのルートにはこの「猫横丁」をつないで帰るルートもある。このルートで帰ると普通なら30分くらいの走行時間が1時間半くらいかかったりする。距離的な遠回りじゃなくて時間的遠回りだ。一度、ある猫に気まぐれにえさをやったら妙に懐かれて、そいつのいる路地に入るとこちらの姿を見つけて遠くから走ってきたりするようになった。そうなるともうやめられない。多少雨が降っていても「行かなくちゃ」となるw

あと「寄り道」もいい。雑誌の自転車通勤特集などを読むと、よく「ちょっと寄り道して知らない路地にオシャレなカフェを発見!」なーんて書いてある。ま、オシャレなカフェならそれもいいけどさw、別にどこでもいいのだ。ファミレスでもマクドナルドでも(最近、マクドナルドのコーヒーはおいしくなったし)一人でコーヒーを飲みながら30分くらいぼんやりする。季候のいい時期なら公園で缶コーヒーでもいいし、冬場ならミニストップで肉まんでもいい。こういう時間が僕にとってはすごくいいのだ。

ただぼんやりじゃなくてDSでラブプラスでもいいし(僕はやらないけど)iPhoneTumblrでもいいし(これはやるw)。そんな寄り道を楽しむのも自転車通勤を続けるコツかも。お酒を飲む人ならば馴染みの店に寄って一杯飲むという「寄り道」もあるだろうけど、僕は酒を飲まないし、そもそも飲んだら自転車で帰れない。

自転車に乗り始めたばかり、自転車通勤を始めたばかりの頃は、ちょっと遠回りになってもできるだけ坂のないルートを探す。でも1年もすれば、ハマった自転車乗りはわざわざ坂のある遠回りのルートを走っていたりする。トレーニングになるし少しでも距離を走りたい。「遠くを近くにすることはできないけれど、近くを遠くするのは簡単だから。遠回りすればいいだけだからね」というのは自転車好きのツーキニストがよく言うセリフだ。
自分が知っている道、走ったことのある道なんて、すべての道の極々わずかでしかない。ほとんどが「知らない道」だ。知らない道で出会う「なにか」を楽しむことができれば、自転車通勤を楽しく長く続けられるんじゃないだろうか。

あと僕なりの「自転車通勤の鉄則」が実はある。長くなったのでこれは次のエントリーで。


ロングライドブログランキング