ブルベの復帰戦のトホホとそれにまつわる数字のこと

早く書こうと思っていたのに随分時間が経ってしまった。2月21日に超久しぶりにブルベを走ってきたのだけれど、脚はへたれているわ、勘は鈍っているわでゴールでタイムアウトとなってしまった。情けない。(左の写真はkskさんの日記から拝借)
走ったのはオダックス埼玉主催のBRM221アタック安中。そもそも復帰戦なので同日に行われるアタック小田原城に申し込むつもりだった(安中じゃ雪降るかもしれないし、そもそも寒いだろうし)。で、小田原城にスポーツエントリーで申込をしたつもりが、エントリー確認のメールが届いたら「アタック安中」と書いてある。「間違えちゃったよ・・」と思いつつ「まあ、いいか」と変更せずに安中へ行くことに。その後も・・・

スタート地点は神根公園(川口)だと思っていたら、前週に「越生ですよ」と言われてびっくり(オダックス埼玉の距離の短いブルベは以前は神根公園スタートが多かった)→神根公園なら家から20kmくらいなので当日朝に自走できる。しかし越生は60kmある。「こりゃ前日泊にしたほうがよさそう」と思い、近隣(坂戸)のビジネスホテルをおさえる→「金曜、前泊する」とtwitterでつぶやいたところ某氏の返信「私は日曜に走ります」を読んで「あら、土曜だけじゃなかったの??」と思い、送られてきていたエントリーハガキを確認するとBRM221(日曜)と書いてある。また間違えている!→ホテルの予約を変更。

前日の土曜も交換用のタイヤの買い置きがあるつもりが見つからず慌ててフレンド商会まで買いに走り戻って交換→21時過ぎに輪行支度をしてやっと家を出ると、暫くしてベルを忘れたことに気がつき取りに戻る→電車で行く坂戸が遠い。西武新宿線本川越まで行って東武東上線に乗り換えるつもりが、本川越駅川越駅はつながっていないことを知る(西武新宿駅とJR新宿駅みたい)→結局、川越駅より近い川越市駅まで輪行袋を担いで数百メートル歩くことに→やっと坂戸のホテルに着いたらもう0時→日曜の当日も出走確認をした後「いってらっしゃい」と送り出されてから暫く走って車検を受けていないことに気がつきスタート地点に戻る→やっとスタートしたものの、なにか違和感がある・・・数キロ走ってからそれが何なのかに気がつく。「メガネのままだったよ・・」そう、ロングライドの時はコンタクトなのだ。ブラケットを握ったポジションではメガネだと微妙に首の角度を上げなくてはならないのであとあと首が痛くなってくるのだけれど・・

とまあ、勘が鈍っているどころかボケてるとしか思えないような。これでちゃんと完走していれば「終わりよければ・・・」なのだけど、ブルベ中も根本的にヘタレているのはともかく、補給やら休憩やら、もう全部忘れていたような。そんなこんなで久しぶりのブルベで久しぶりにタイムアウトすれすれの時間帯を走ったのでいくつか思い出したこと(数字)がある。これはある程度走り慣れた人ならば気にすることのない数字だし、逆にブルベビギナーでまだ余裕のない人にはその意味を正確に測りにくい数字だ。「以前は多少は走れたけれど今はヘタレに戻ってしまった元ランドヌール」だからこそわかるwこの数字について自戒を込めて書いてみる。まだこれから200kmや300kmを走る人の走行プランの役に立てばと思う。

ブルベは全行程時間(=制限時間)に対して平均速度16km/hで完走できると言われている。たとえば200kmなら制限時間は13時間半。

16km/h × 13.5h = 216km

となる。15km/hではどうだろう。

15km/h × 13.5h = 202.5km

数字上では15km/hでも間に合う計算だ。しかし実際のブルベは認定距離きっかりではない。チェックポイント(PC)の場所やコースセッテイングによって200kmを多少超える。今回のBRM221アタック安中は205.8km、アタック小田原城は201.6km。小田原城なら15kmで間に合うが、安中は間に合わない。したがって「16km/hが安全圏」というわけだ。僕はブルベを走り始めてからすぐにGPSを導入したので常にこの16km/hを意識して走っていた。
GPSの使い始めの頃はコース確認のためにマップを表示して走る人が多いと思う。しかしガーミンなどのナビゲーション機能のあるGPSならば事前にコースデータを正確に打ち込んでおけば転換点手前では自動的にマップ表示に切り替わる。設定したコースから外れればアラートが鳴る。なにも常にマップとコースを表示しながら走ることはないと気がついてからはトリップコンピュータ画面を表示させながら走るようになった。僕が表示させているのは

現在速度
全体平均速度(停止時間も含めた全行程での平均速度)
最終地点距離(ゴールまでの残り距離)
最終目的地到着時刻(その時点での全体平均速度による予想時刻)
目的地到着時刻(次のチェックポイントの到着予想時刻)
TP停止時間(休憩、信号待ちなども含めた全停止時間)
現在時刻
積算距離

やはり注意すべきは全体平均速度であり、これが常に16km/hを上回っていればチェックポイント(PC)間のタイムアウトもない。最終目的地到着時刻がタイムアウト時刻に対して何時間何分余裕があるかで、貯金できている時間もわかる(これは400km以上になって仮眠する時の目安になる)。

ではGPSを使わない人には目安になる安全圏を測る数字があるだろうか。参考になるのはGPSで計測したTP停止時間(休憩、信号待ちなども含めた全停止時間)だ。今回の200kmで僕はこのTP停止時間が2時間ある。第1チェックポイントで10分、第2チェックポイントで25分、第3チェックポイントで10分停止している。合計45分。これにプラスして3回僕は止まっている。GPSの電池切れでチェックポイント以外のコンビニで1回、ドリンク切れで自販機で1回、あとトイレで1回。それぞれ5分の停止とするとチェックポイントでの停止時間と合わせて合計で1時間。ということは残りの1時間の停止時間は信号待ちや渋滞にはまって脚を止めた時間だ。200km走って1時間、つまり100kmで30分。これはほとんど信号がないような場所(北海道など)を除けば、特に都市近郊をスタート・ゴールとする埼玉、神奈川、千葉などのコースでは平均的な数字だと思われる。
200kmで2時間の停止時間というのは余裕を見た想定数字だと思う(休憩時間はまだ短くすることが出来るし)。その数字から制限時間の13時間半に対して走行時間は11時間半に想定すると

200km ÷ 11.5h = 約17.4km/h

つまりサイコンのアベレージ速度表示で17.4km以上、実際のコースの距離が200kmをやや上回ることを考えると18km/hを下回らなければ安全圏ということになる。今のサイコンはほとんどの機種でアベレージ速度は表示できるので、この数字を安全圏として目安とすればいいと思う。ちなみに300kmならば制限時間は20時間。これに対して全停止時間を3時間と想定すると

300km ÷ 17h = 17.6km/h

400km以上になると仮眠をするかしないかという選択も出てくるので計算が変わってくるけれど200km、300kmは単純にこの数字(=18km/h)をデッドラインと考えていいだろう。

最速タイムを狙うような人以外にとってはブルベは基本的に「タイムマネジメントのゲーム」だと思う。ある日突然、速く走れるようになるということはない。自分の脚力を把握して全行程の時間をコントロールすることがおもしろいのだと思う。
ちなみに今回僕は全体平均速度15.3km/hでゴールに3分遅れだった。自戒を込めて(思いっきり込めて)一から出直しだ!!


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